第一章

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今日の稽古は本当に集中出来ていなかった。ラースは自室のベッドに横になってため息をついた。 「お前があんなにぐだぐだだったの久し振りに見たわ」 かけられた声にラースが目を開けると、にやにやとからかいの色を含んだ笑みを浮かべた同室のエドワードが見下ろしていた。 「・・・集中出来なかっただけだ」 「なになに?何で集中出来なかったん?俺に全部話してごらん」 エドワードのカラメル色の猫目が細められる。 こいつ、完全に楽しんでやがる。 ラースは心なしかさっきよりも笑みの深くなっているエドワードの頭をはたいた。 「あでっ」 「なんとなく、だ。」 「へえぇ」 まだにやにやしているエドワードを無視してラースは立ち上がった。 「ちょ、待てどこ行くの」 「食堂」 素っ気なく告げるラースにエドワードは壁時計を確認した。 六時半。 夕飯に行くのには妥当な時間だ。 「行かないのか?」 「行く、行きます。行かせて下さい」 既に部屋の外に出ているラースをエドワードは慌てて追いかけた。 とどのつまり、構ってほしいのである。
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