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丁度飯時だった食堂は稽古や仕事を終えた男達で賑わっていた。
「あちゃー・・・場所なくない?どうする?」
生真面目な親友がなんと返すかは長年の付き合いで何となく分かってはいたが、エドワードは建前として聞いてみる。
「空くまで待つ」
「期待通りの返答をありがとう」
予想通りの生真面目な返答にエドワードは苦笑いを浮かべた。
数分経った頃、ラースが俯いた視線をはたと上げた。席が空いたのだろうかとエドワードも視線を上げ、ラースの目線の先を辿る。
「おーい!こっちこっち!」
「ジャンヌさん!」
にこにこと手を振る短い茶髪の女性にエドワードが手を振り返した。
「あぶれてるんならこっちおいで!」
「あざっす!」
歩き出したエドワードの後ろをラースが着いて行く。
ジャンヌの席まで来ると、ラースはぺこりと頭を下げた。
下の方で結わえられた色素の薄い金色がさらりと落ちる。
「ありがとうございます」
「べつに気にしなくていいよ。ごはんは皆で食べた方が美味しいでしょ?」
「はい」
「さ、ごはん貰ってらっしゃい」
「おー、行こうぜラース」
「うん」
エドワードの後を着いて行くように行動するラースを見てジャンヌはくすりと笑い声を漏らした。
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