第一章 邂逅

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 新たに声をかけてきたのは青髪の綺麗な美少年だった。 (え、え、誰? なにごと)  内心オロオロしてると青髪の男子生徒ははあ、とため息をついて近づいてくる。 「少し席をはずすから俺の席を見とけと言っただろう。もう忘れたのか。トリ頭」  そう言って俺の頭を叩く。自分でも何が悪かったのか分からないが反射的に「ごめん」と謝っていた。というかトリ頭ってひどくない。 「お前ら、違う席を探せ。前のほうはまだ空いてるぞ」 「あ、すいません。空いてると思って」  青髪の男子生徒の横柄な態度に気後れしたのか二人組みはそそくさと前のほうに移動した。なんだかよく分からないが、残った男子生徒が隣に座るということでいいのだろうか。  しかし僕はこの男子生徒とは初対面のはずだ。席をとっておけと頼まれた覚えはない。と眺めていると、鋭い目でにらまれた。 「おいお前」 「は、はい!」 「精霊のことを人として扱いたいならうまくごまかせるようになれ」 「え!」  今、この人は精霊と言っただろうか。それはつまり、 『あなた私が見えるの? 見えるの?』  友人は嬉しそうにその人の周りをぴゅんぴゅんと飛び回り始めた。久しぶりに仲間内以外で話ができる人に会えて嬉しいのだろう。  しかし当人は眉をひそめると無視して周りを見渡し始めた。そして誰かを見つけたのかそちらの方へ行ってしまう。なんとなくそのまま目で追ってみると僕と同様3人掛けに1人で座っている人物の腕を無理やり掴むとこちらへと引きずってきた。 「ちょっ、何なん! 腕放してくれへん」 「うるさい」  つれてこられた生徒は何がなんだか分からないといった顔で僕の前までつれてこられるとようやく手を放してもらえた。 「えーと、なんなんやいったい。わいに何か用?」  連れて来られた男子学生はその赤色の髪に手をやりぐしゃぐしゃといじりながら不機嫌そうに言う。すみません。僕にもなにがなんやら分かりません。 「こいつはどうやら精霊の見える友達が欲しいそうなんだが俺はつるむ気はない。お前がお友達とやらになれ」 「はい?」  何を言い出すのだこの男は。そう思うも引き止める間もなく男はさっさと後ろへ行き、連れて来られた人が座ってた席に座った。 (え、このまま放置するの)  残された僕たちはただそれを呆然と眺めるしかなかった。
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