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「あっ!気がついたんだね!」
10才くらいだろうか
少年が部屋に入ってきた
「ボク、キバっていうんだ!」
とても可愛らしい笑顔で
話しかけてくれるキバ
ふと頭を見ると
猫のような耳があって
しっぽもはえている
「ボク、狼族なの!」
私の視線に気が付いたのか
しっぽをパタパタさせながら
教えてくれた
「ねぇ、君の名前は?」
ベッドの側に屈み
首を傾けながら
そう聞いてくる
「…………ぁ……」
(…ぁ…れ…)
気付かなかった
声が…出ない
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