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side<クレア>
「ここから…逃がしてあげます」
白衣を着た男に
そう言われた
(ここから…にげられる…の?)
私は恐る恐る
顔を男に向けて
目を開けた
「………!!」
(瞳が…紅…い?…あ…れ…?)
紅い目を見た後のことは
覚えていない
トサッ…
私は意識を手放した
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__________
side<シン>
トサッ…
クレアは力なく倒れた
アウルの能力で
眠ったようだ
こいつの能力は
『催眠』
普段はアウルの目は
綺麗なスカイブルーで
その力を隠しているが
紅くなったこいつの
目を見ると
相手は深い眠りについてしまう
「シン…手荒な真似はダメですよ。余計怖がってしまうじゃないですか」
「…あぁ」
「あぁって…;」
俺は腕捲りをして
クレアの額に手を翳(がざ)す
腕にはタトゥーが入っていて
右手は白龍
左手は黒龍
それぞれ、役割があるが…
今はこっちに集中する
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「見えました?」
「!あ、あぁ…」
数分してから
アウルが聞いてきた
ことで我に返った
こいつの…
クレアの記憶があまりにも
酷すぎて
俺としたことが
動揺してしまった
「…こいつは海賊に両親と婚約者を殺されている」
「!!…では、声が出なくなってしまったのは…」
「……その時のショックだろうな」
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