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ところ変わって
お風呂場
(わぁ……お風呂、こんなに広いんだ)
ウィンダリア家のお風呂は
広いので見馴れていたが
船の中にこんなに
大きなお風呂があるとは
思わなかった
おまけにサウナもある
キバが言うには
船医のアウルさんが使うらしい
「お姉ちゃん、早く入ろうよ!」
腰にタオルを巻いたキバが
私の背中を押す
ちなみに私も
バスタオルを巻いている
(…体洗いたい)
私はキバを見ながら
シャワーがある方を指差した
「あ、そっか!からだ洗わないと!」
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「きもちぃね」
こんなに広いお風呂なのに
キバは私の伸ばした足の上に
座っている
かわいいから
許すけど
お湯は丁度いい温度で
バラの香りがする
すごく気持ちいい
「おぉ、女の子の上に座るなんて大胆だな」
突然、頭の上から
声が降ってきた
見上げると大人の雰囲気がある
ガタイのいい男が立っていた
しかも…
タオルを巻いていない
(………!!///)
私は咄嗟に
両手で顔を隠した
「船長!お姉ちゃんがいるんだから、下、隠してください!;」
「おっと、そうだな!すまない」
「お姉ちゃんもう大丈夫だよ」
恐る恐る見てみると
男は湯に浸かって
私に笑顔を向けていた
「俺はこの船の船長の、ジャック・リアゾフだ」
私はキバの後ろに隠れながら
お辞儀をした
…まだ少し怖いから
「恥ずかしがりやかい?かわいいねぇ」
「ジャックさん!クレアが怖がってるっ」
キバが必死に怒るが
ジャックはまったく相手にしていない
「……おいで」
ジャックが両手を広げて
優しく言った
それがとても懐かしく感じる
前にも同じ事があったような
そんな感じ
気づけば私は
身体が動いていた
まるで彼に吸い込まれるように
ぎゅっとジャックを抱き締めると
彼もまた抱き締めてくれた
優しく…優しく
包まれるような感覚
恐怖など感じなかった
「怖かったよな…大丈夫、大丈夫」
あぁ…
ジャックは私に何が起こったか
知っているんだ
だからこんなに
優しく励ましてくれるんだ
(あれ……なんだか眠い…や)
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