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side<クレア>
「お風呂で逆上せたらしいですね」
その言葉で
朦朧としていた意識が
はっきりした
私は慌てて
片手で自分の身体を触る
(…服…着てる…)
状況が読み込めないでいると
「クスクス…」
アウルさんが
口に手をあてて
笑っている
「おもしろいですね、クレアは」
(なんでそんなに笑うの?)
私は怒って
頬を膨らませて
見ていると
私の視線に気付いたみたいで
アウルさんは笑うのを止めた
「クスクス……すいません。着替えは僕がやりました」
(…ぇ…私…アウルさんに裸…見られちゃった…?//)
「大丈夫ですよ、変な事はしていませんから」
アウルさんは微笑を浮かべて
頭を撫でてくれる
アウルさんは嘘つかなそうだし…
…信じていいよね?
「……………ぁ……」
(あ…れ?今、声が…)
無意識に
ありがとうと
言おうとしてしまった
そしたら…
…少しだけ
ほんの小さな声が出た
これには
アウルさんも驚いたよう
目を見開いていた
「クレア、もう一度声を出せますか?」
「………ぁ……」
(出せた…!)
「…練習すれば声が出るようになるかもしれないですね」
アウルさんが
優しく微笑みながら言う
(…よかった…よかったっ)
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