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「お母様っ!!」
「クレ…ア…」
力もなく弱々しく
母は手を伸ばす
そして私の腕を掴んだ
「…に……さい…」
「…へ…?」
「…にげな……さい」
「でもっ!!」
私が逃げないでいると
突然、母は微笑んだ
ドクッ…
(…逃げ…なくちゃ)
人間の本能なのだろうか
母を見た瞬間
体が勝手に動いた
私は立ち上がり
船の先端の方に逃げる
そして
穏やかな真っ暗な海へ
飛び込んだ
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