はじまり

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「い、いや!なんとなくそんな時期かなーなんて思いましてねはい!ってそんなことはどうでもよくてほら早く未来のお友達を紹介しましょうよう!」 教卓に担任を戻し、自分席に着く。 言い訳苦しすぎ。あと顔のにやけ抑えられてねーぞ。 「なんなんだあいつは、まぁいい。そういうことで転校生を紹介する。佐々木煌星、入って来い」 担任の入って来いという言葉と共にクラスがざわつく。 転校生とか興味ねーしな。俺に迷惑かからなければなんでもいい。 前の方で名前呼びイベントは?!と騒がしい奴が叫んでいるが聞こえなかったことにしといて隣で教科書を枕にスヤスヤ寝ている同室者を横目に校則違反の携帯をいじる。 バンッ!! 転校生が入ってきたであろうドアから物凄い音がしたのでビクッとしてドアを確認する。 みんな唖然としているが隣の同室者は一向に起きる気配はない。 目が隠れるくらいの真っ黒のボサボサ髪の毛に、相当目が悪いのか分厚すぎるメガネ。カッチリと制服を着たつもりだろうが曲がったネクタイに半分出ているシャツ。 なんだこいつ逆に怖ぇー。 「おい雪夜!長いぞ、ずっと待ってたんだからな!」 だめだ。俺の苦手な人種だ。 クラスの乙女組もゴリラ組も担任の名前を呼んでいることとか転校生が可愛くないだのかっこよくないだのぶーぶー文句を言っている。
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