11465人が本棚に入れています
本棚に追加
/312ページ
「三井先生、貴方が転校して来たのを知って、すぐに顔を見に行ったんだよ。
テストで1番になった時も本当に嬉しそうにはにかんでいたの。良い息子を持ったって誇らしげだった。
それと桐谷君、消しゴム……貸してくれてありがとう。
あの時ちゃんと、お礼言えなくてごめんね。凄く、凄く嬉しかったよ。
もっといっぱいお話したかったなあ……。
……でもそれはもう叶わないと思うから、今ここで、私が桐谷君にかけた暗示を開放します。
開放する時はキーワードを告げるだけで良いの。
大きく一度深呼吸をして――。
ゆっくりと胸に手を当てて――。
そのままそっと耳を澄まして――…………。
――死んで下さい、さようなら」
第四章 桐谷涼太 終
最初のコメントを投稿しよう!