堕の章 桐谷 涼太

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「三井先生、貴方が転校して来たのを知って、すぐに顔を見に行ったんだよ。 テストで1番になった時も本当に嬉しそうにはにかんでいたの。良い息子を持ったって誇らしげだった。 それと桐谷君、消しゴム……貸してくれてありがとう。 あの時ちゃんと、お礼言えなくてごめんね。凄く、凄く嬉しかったよ。 もっといっぱいお話したかったなあ……。 ……でもそれはもう叶わないと思うから、今ここで、私が桐谷君にかけた暗示を開放します。 開放する時はキーワードを告げるだけで良いの。 大きく一度深呼吸をして――。 ゆっくりと胸に手を当てて――。 そのままそっと耳を澄まして――…………。 ――死んで下さい、さようなら」 第四章 桐谷涼太 終  
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