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霞は息を吸い込んで続けた。
「だからダルマ様はとっても寂しがり屋。あなたは生まれ変わることを望んだ赤子たちが集まってできた死霊なの!
そして、生まれるために自分に合う人の部位を探し続けていた! 実体なく彷徨い〝振り向く〟という情を見せた者にとり憑き、生ある者から人の証を奪う者!
この学校の生徒たちはある意味、生贄だったの! 少しずつ奪っていくつもりだったのでしょう、けど1986年7月8日に事件は起きた!
そして貴方は生徒たちから視覚を、覚えることを、耳を、そして心臓を奪い、完璧に、健康に、誕生した! そして誰かの存在を奪い、差し替え、今日まで泉澤順次として、のうのうと暮らした!」
父と母の顔が浮かぶ。自転車を買ってもらった想い出や、俺の幼い頃の写真やビデオを見せられた想い出も……!
「俺なわけがない!」
「5歳までの記憶ある!? それまで自分が何をしていたか覚えている!?」
「あ、あるさ!」
「嘘よ! あたしはずっと、ダルマ様を追っていた! 貴方が産まれたのも7月8日! ここで5歳の身体を手に入れ産まれた!
この学校にも泉澤という姓の生徒がいた! あたしは貴方の存在を突き止め、今の高校に転校し、監視を続けた!」
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