魔の章 泉澤 順次

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──あれ? 今。……何だ? 俺。あれ?  目が覚めたら俺は自分の部屋にいた……隣には見たことのある男。 ……ダルマのような青年が鏡に映っていた。 話しかけようとしたけどやめることにした。 この手足がない人……俺だ。 ……それに喋れない。舌もない。不思議と痛みはなかった。 頭がぼーっとする。血が足りないような。 霞の声が聞こえた。 「目と耳は残してあげる。コミュニケーション取れないでしょ?」 これからは、全部面倒見てあげるから。あたしなしじゃ、生きられないから。 「でも、あたしもあなたがいないと、生きられないの……ねえ、あたしジュンくんのために変わるから。ジュンくんの言ってた明るい子になるから!」 だから! だから、だから! だから!  
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