Prologue

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毎週土曜日は、いつも私が夕食の準備をする担当になっている。 スーパーで買い物を済ませてからそのまま直接実家に向かって手料理を振る舞うのが私の唯一の親孝行で。 今日もいつものように、暢気にビニール袋をぶら下げながらマンションに向かった。 部屋に入るとお母さんのモノとは思えない革靴がきちんと並べられていた。 一瞬、何かがよぎったけど、うちの母親に限ってそんなことはないだろう。 ──なんて、余裕をカマしてたのは束の間。 私の目に映ったのは満面の笑みを浮かべたお母さんの姿だった。 隣には知らない男の人。 「お母さん…これ、一体どういう状況なのかな…?」
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