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「菜穂ちゃん、明後日の午前から市之瀬さんと打ち合わせだからよろしくね」
「はい、分かりました」
菜穂ちゃんは、私の二つ下の後輩で今回初めて開発プロジェクトに関わる。
そして、この企画が私の初めてのプロジェクトリーダーの仕事でもある。
だから余計に熱が入ってしまう。お母さんの再婚といい、予定がとんでもないほど立て込んでいる。
「桐野ー、人事課から電話だ」
「…は、はい」
人事課から…?私当てになんて珍しくて驚いた。とりあえず、受話器を取った。
「はい、代わりました。桐野です」
『あ、桐野?久々だねー。元気?』
「おかげさまで、元気にやってます。ところで、伊沢さん、どうしたんですか?」
『今回の君のプロジェクトの担当のMDが本社から派遣されてきたんだけど、顔合わせしときたいと思ってね。今からでも大丈夫かな?』
「は、はい!あ、じゃあ今からそちらに向かわせて貰います」
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