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イセルナは魔人の先祖返りである。
力は制御され、魔人を遥かに超えた存在となっている。
ライトと同格の超人だ。
しかし、頭の固い聖霊に知られれば、禁忌を犯した魔人として処断されかねない。
そのため、聖霊とは接触できないのである。
ただ、魔獣の分布についての報告は2人とも聞いてはいた。
魔獣討伐の旅に出た2人には、その情報が開示されているのだった。
2人の移動は徒歩である。
但し、移動は道ではなく宙であるが…
現在の目的地は南に居る魔獣3体。
その後は死の大陸だ。
死の大陸では、新魔術の構築を行うのだ。
ヴォルキンがネットから探し提案した、あの魔法である。
ワームホール。
ブラックホールとホワイトホールを使用した移動魔術である。
前例の無い魔術であり、制御を誤ると非常に危険だ。
そのため、滅んだ大陸にて開発するのだ。
移動は宙を進むため早いと言える。
だが、イセルナは光と闇の聖霊とは契約していない。
そのため、ライトほどの速度では移動できないのである。
自然とイセルナの歩みに合わせることとなるのであった。
ライトからしてみたら、別段急ぐ旅ではない。
いや、急ぎたくないと言えば嘘になる。
しかし、直ぐに元の世界へ帰れたとしても、既に大学は始まっているであろう。
ライトの神崎 禮斗としての存在も危ぶまれる。
失踪人、いや、死人扱いになっているかもしれない。
そう考えると、今更急いでも、仕方ないと考えるライトであった。
一方、イセルナであるが、自分が旅程を遅らせいてると考え、気にしている。
ライトは何度も、{気にしないように}と、告げているのだが…
(気にするな)と言うのも無理である。
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