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かと言って、お姫様抱っこでの移動は、イセルナが嫌がるのでできない。
(自分の足で移動したい)と思うが、(お荷物になりたくない)と思っているのも、本音である。
また、精霊である妻達が、贔屓と言って煩い位に言ってくる。
これにはライトも苦笑して引き下がるしかなかった。
「………
ふぅ。
気にしなくて良いって言ってんのになぁ」
呆れたように呟いた後で告げる。
「イセルナ。
一度下へ降りるよ」
唐突に告げられ、ハッとするイセルナ。
気付いた時には、既にライトは下へ向かっていた。
直ぐにライトに続くイセルナ。
ライトは森の中の空き地を見付け降り立つ。
直ぐにイセルナも降りて来た。
「鍛練にもなるから徒歩での移動と考えてたんだけど…
イセルナが気にするから、乗り物で移動するよ」
そう告げてくる。
(え~っとぉ?
乗り物なんて何処に?)
困ったように辺りを見回すイセルナ。
そんな彼女を見て、困ったように告げるライト。
「あのね、イセルナ。
今から創るから、探してもないよ」
そう告げられて、イセルナも気付いたようだ。
ライトが精霊達の力を使用して物を作り出すことができるのを…
そして自分も、それが行えるのをである。
とは言え、最近まで普通の黒魔術師だったイセルナ。
そんな常識外のことを、自分ができるなんて忘れてしまっていたのだった。
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