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第3幕 ピザのおじさん
「ふんふ~ん、ふんふ~ん」
ポルト・パラディーゾの大きな広場であるピアッツァ・トポリーノ。
そこで1人の少女が鼻歌を歌いながら歩いていた。
赤い髪を肩まで伸ばしたその子は、どこか上機嫌だ。
「ふふふ~。遂にやってきわよ~。ここにはあのファッションブランド、『D’24』があるのよね~。その服が私の手に……考えるだけで何だかワクワクしてきた~!それでは早速レッツゴー!」
その少女は期待に胸を躍らせながら目の前にある百貨店、『エンポーリオ』に向かって歩を進めた。
★
キョウはとあるレストランの目の前に立っていた。
おそらくリストランテ・ディ・カナレットと読むのだろう。
看板の上には、黄金に光る翼の生えたライオンの像が運河を見つめる様にいたが、今のキョウはそこには目もくれず、そのまま店内に入った。
「ボンジョルノ」
店に入った途端、突然店員らしき女性に声を掛けられる。
店内の壁には色んな風景画が飾られてあった。
そして1番上の壁に男性の絵が大きく飾られてある。
この人が他の風景画を描いたのだろうか。
……どこかで見た事がある。
そうだ、確か美術の時間で習った。
名前はジョバンニ・アントニオ・カナル。
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