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「おじさん……誰?」
キョウは疑り深い目で尋ねるが、老人はピザを食べていてお構いなしだった。
しかし、その後に言った老人の言葉に、キョウは驚く事になる。
「……君、別の世界から来たのだろう?」
「っ!?……どうして!?」
キョウは驚きを隠せなかった。
まだ何も言っていないのに、どうしてこのおじさんは……?
「君の服装などを見たら分かる。明らかにこの街の人間ではない」
他にも理由はあるが、老人はあえて言わない事にした。
一方、キョウはまるで救世主が来てくれたような感覚に陥る。
この人は別の世界の事を知っている……もしかしたらこの世界の事を色々と教えてくれるかもしれない……!
「おじさん……!ここは一体、どういう……」
「まあ待ちなさい。今は食事中だ。話すのなら、ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテでの方が良いな」
「ザン……ビーニ……?」
老人の言葉にキョウは首を傾げる。
「ポルト・パラディーゾのはずれにあるレストランだ。因みにそのレストランのオーナーであるザンビーニ家はメディテレーニアンハーバーの開拓者でもあり、私は……、……?」
老人の言葉の途中で、キョウは椅子から立ち上がり、走り去ろうとした。
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