第3幕 ピザのおじさん

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「分かった!俺、そこに行ってみるよ!ありがとう、おじさん!」 「ま、待ちなさい!人の話は最後まで……」 老人の止める言葉も空しく、キョウはもういなくなってしまった。 老人はため息を吐くと、再びピザを食べ始める。 「まあ……良いか。あそこにはプリモとエンリコがいるだろうし……私はピッツァを食べ終えてから帰るとするか」 ★ 「…………」 とぼとぼと元気無さそうな足取りで少女はエンポーリオを後にする。 「申し訳ありません。『D’24』はここでは取り扱っておりません」 「え?ここ百貨店でしょ?……しょうがないか、やっぱりパラッツォ・カナルの方でないと……」 「それが……実は『D’24』は少し前に販売が終了してしまいまして……」 「……え?…………えぇぇっ!?」 「楽しみにしてたのに、これじゃあ無駄足よ……」 「ザンビーニ……ザンビーニ……。……っ!」 その時だった。 少女は突然、走ってくる少年にぶつかった。 「きゃあっ!」 少女は尻餅をつく。 しかし少年は…… 「ごめん!俺少し急いでるんだ……それじゃ!」 そのまま走り去っていた。 「ちょっとぉー!気を付けなさいよぉーっ!」 少女は尻餅を付きながら少年に向かって叫んだ。
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