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第4幕 ザンビーニ3兄弟
「……ここか?」
キョウは目の前にあるそれらしき建物を見つけた。
それにしてもかなり歩いた……。
はずれにあるとは言っていたけど、まさかこんなに奥にあるとは。
途中で自分がいた場所のカッレピッポの前を通り過ぎたし……。
「だけど……本当にここなのか……」
キョウは目の前の建物を見て少し不安に思う。
ピザを食べてたおじさんは、ザンビーニ家はこの街の開拓者って言ってたから、金持ちなのは想像できる。
だから建物も他のと比べて少し豪華なのだと思っていたけど、今目の前にある建物は2階建てで確かに大きいが、若干地味な印象を受ける。
しかしその建物の扉の上には『ZAMBINI BROTHERS RISTORANTE』と書かれてあり、ここがザンビーニ家の建物という事を証明している。
本当にザンビーニ家はこの街の開拓者なのか……?
そもそも開拓者が、何故こんなはずれに住んでるんだ?
あの時、自分が別の世界から来た事を知っていたから、迷わず信用しちゃったけど、彼が善人であるとは限らない。
もしかして俺は騙された……?
「でもなぁ、他にあてはないしな……行くしかない」
キョウは少し覚悟を決めて、目の前の扉を開けた。
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