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「い、いや!16歳でも未成年なので飲めませんよ!」
「ほう……では君の世界は一体何歳で成人となるのかな?」
「……20で……って、君の世界……!?」
キョウの驚く言葉に男性は微かに笑みを浮かべながら頷いた。
「見れば分かる。……そうか、君があの……」
「?」
男性の小さい呟きにキョウは首を傾げたが、そんな事は気にせずに男性は尋ねる。
「名前は?」
「あ、東キョウ」
「東キョウか。では、キョウ。ここでは何だ、席で話そう。看板などを見て分かると思うが、ここはレストランだ。お金の事は心配しなくても良い、食べたいものがあったら遠慮なく言いなさい」
「あ、ありがとう御座います」
悪い人には見えないけど、信用して大丈夫なのだろうか。
「因みにパスタ料理と米料理。どちらが良い?」
「……米料理で」
突然男性に尋ねられ、キョウは少し悩んだが、食べ慣れてる方を選んだ。
「米料理か……」
キョウの回答を聞いて男性は少し苦笑いを浮かべると、正面を見つめた。
「エンリコ、お前の出番のようだ」
「おお!やっぱり米料理を選ぶことを信じていた!」
何か作業をしていたのだろうか、樽などの道具に隠れていて気付かなかった。
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