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エンリコ、と呼ばれた男性はこっちに駆け寄ってきた。
キョウの隣にいる男性と同じく、髪と顎髭が繋がっていて、顔に少ししわが見えるが、黒髪である為か若干若い印象を受けた。
エンリコはキョウの方を一目見ると、男性の方に視線を移した。
「そう言えば、プリモ。アントニオがいないんだが、知らないか?」
「またあそこでピッツァでも食べてるんだろう……。じきに帰ってくる」
この男性はプリモと言うのか。
するとプリモはまるで思い出すように少しハッとなると、キョウの方を向いた。
「名乗るのが遅れて申し訳ない。私の名前はプリモ・ザンビーニ。彼はエンリコ・ザンビーニ。そしてもう1人いるのだが……」
「少年が1人ここに来てないか?」
プリモの言葉の途中で扉から声が聞こえ、3人は扉の方を向く。
そこにはピザを食べていたおじさんがいた。
「あ、おじさ……」
「おお、アントニオ。丁度良いところに来た。キョウ、彼はアントニオ・ザンビーニ」
「え!?おじさんも!?」
「すまないな、言い損なって」
「何だ、既に知り合いか。それなら話は早い。キョウ、私達はこの街の地主。みんなからはザンビーニ3兄弟と呼ばれている」
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