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第5幕 選ばれし勇者
「ザンビーニ……3兄弟」
キョウは3人のザンビーニの顔をそれぞれ見ながら呟く。
最初、1人の男性を想像していたが、まさか兄弟で3人いるとは思わなかった。
「あなた方が……この街の開拓者なんですか?」
「如何にも」
「その通り」
キョウの尋ねにプリモが答え、その後にエンリコが続く。
それを聞いてキョウは2人を見た後、アントニオの方を向いた。
「そしておじさん……いや、あなたもザンビーニ……」
「そうだ」
アントニオは頷いた。
「どうしてあの時に……?」
「さっき謝っただろう?それに私は話すつもりだった。しかし君は私の話を最後まで聞かずにそのまま行ってしまった」
「……俺のせいか。ごめんなさい……」
キョウは自分の過ちを認めて、アントニオに頭を下げた。
「構わないよ、別に気にしてなどいない。それとプリモ」
アントニオはプリモに目をやると、彼は頷く。
「分かっている。今日は店を閉めよう。アントニオ、キョウを席まで案内してくれ」
「ああ。……君はキョウと言うのか。キョウ、こっちだ」
アントニオはキョウを席まで連れて行った。
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