第1幕 退屈

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第1幕 退屈

「ふわぁ~……」 学校の下校時刻のとある住宅街の道。 そこで1人の少年が大きくあくびをしながらとぼとぼと自宅を目指していた。 俺の名前は東キョウ。 平凡な日常を送っている平凡な中学生。 今はもう受験シーズンで周りのみんなは志望校に受かる為に必死で勉強しているけど、俺はもう推薦で既に進学する高校は決まっている。 つまり周りは受験勉強という名のイベントがあるが、自分にはそのイベントはない、やる必要がないからだ。 何が言いたいか…………凄く退屈だ。 テストとかも特別気合を入れて挑まなくても、良い点は普通に取れる。 運動とかだって、努力も何もしてないのに、簡単にリレーのアンカーに選ばれるくらい、上位の成績だ。 そう……俺は何もしなくても平気で人並より上を行く事が出来る。 それが自分にとって凄く退屈だった。 何をしても自分の思い通りに事が進み、両親の離婚で別れた兄さん以来、張り合う相手もいないから、刺激とかもあったもんじゃない。 本当は校則とかで金髪は禁止されてるけど、教師とかは成績が良いからお前だけは特別だとか言われて、何も面白味もない。 まあ、この髪は元々染めたんじゃなくて、父親の遺伝で金髪になっているから仕方のない事だけど……。
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