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「さて……では話を本題に移そうか」
突然プリモが真剣な表情を浮かべ、他の3人もそれに続く様に真剣な表情を浮かべる。
プリモはそれぞれ3人の顔を見ると、話し始める。
「……まず、異世界の者であるキョウが何故この世界に来たのかだ」
「キョウ、ここに来る前は何をしていた?」
プリモの言葉に続くようにアントニオがキョウに尋ねる。
キョウはあの出来事を思い出すように答えた。
「……俺が駅で電車を待っている時だった……。線路の上に小さい男の子がいました。しかもその時奥から電車が物凄い速さで迫っていて、俺は思わずその子を助けようとした。だけど今度は俺が危険な状態になって、電車が目の前まで来てて咄嗟に目を閉じました。そうしたら……」
「そうしたら、この世界にいた……という事か?」
話の途中でエンリコに言われ、キョウは頷く。
「つまり意図してここに来た訳ではないのか……。目を閉じてからこの世界に来るまで、何か違和感は?」
再びアントニオに尋ねられるが、キョウは首を横に振る。
「……何もありませんでした。本当に、気付いたらこの世界にいて……」
「そう、か……」
アントニオはその答えを聞いて少し考えると、プリモの方を向いた。
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