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「プリモ、意図せずにこの世界に来たのは過去にも例がある。それと彼を照らし合わせると……」
「ああ……。完全にとまでは言えないが、十中八九間違いはないだろう」
プリモはそう返すと、真っ直ぐキョウの目を見つめる。
その目が何もかも見透かしているようだった。
「キョウ、結論から話すが……驚かないで聞いて欲しい。君はこのメディテレーニアンハーバーを含む、七つの海に選ばれし勇者の可能性がある」
「ゆ……勇者!?」
プリモからの予期せぬ言葉にキョウは思わず吹き出してしまった。
何を言うのかと思えば……勇者!?
「プリモさん!こんなタイミングで冗談やめて下さいよ~!」
キョウは声を上げて笑いながら言うが、対してザンビーニの3人は真剣な表情のままキョウを見つめる。
その様子に気付いてキョウは少しずつ笑うのをやめ、段々不安な表情へと変わった。
「…………どういう、事ですか……?」
どうやら冗談ではないようだ。
3人の顔がそれを物語っている。
プリモは話すのを再開する。
「近いうちに、キョウはメアという女性に出会うだろう。彼女はこの海の生まれ変わりに非常に近い存在だ。詳しい事は彼女が教えてくれる」
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