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ヴァスコはヴィランを睨みつけながら問いかけるように更に言葉を続けた。
「余程外に出たかったのか……。それともメアを閉じ込める必要性がなくなってきたからなのか……。……目的は何だ……?」
ヴァスコはヴィランに向けて言葉を投げ放つが、対してヴィランは不敵な笑みを浮かべたまま、何も動じない。
「メア、ですか……。フフフ、そうですねぇ~。確かに、私による縛りがない今、彼女の精神は今頃、あなた方の拠点にいるでしょうねぇ~」
「まあ、やっぱりあんたもその事に関しては想定内だよなぁ~。だけど分からないなぁ……。メアを放ったらかしにしたらあんたにとって不利益になる事は明白だ。現にキョウがメアによって剣を授けられたのも、ある意味お前が離席していたのが要因の1つだからな。必要性がなくなったからだとしても、いまいち腑に落ちない……」
イブンは疑問を呟くが、ヴィランは今までと変わらずに笑いで返した。
「ハハハハ……。何をそう考え込む必要があるのです?お二方は既に答えを導き出しているではないですか……。そうですよ、はい……もう彼女を閉じ込め、監視する必要は全くなくなった……。今更彼女がどう動こうが……計画を止める事など不可能だ」
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