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第142幕 S.E.A.の監視システム
「ピュテアス!知らせを聞いたぞ!どういう事だ!」
ドレークがエクスプローラーズ・ホールに入ってすぐにピュテアスに向けて声を上げる。
彼の後ろにはレイフもいて、彼もピュテアスの方に視線を向けていた。
対してピュテアスは深刻そうに目を細めて、円卓のテーブルに体重をかけているように両手を置いている。
「……全て述べた通りだ……。ヴァスコとイブンがヴィランと接触したらしい。そして先程、スパッターが現れた」
「だから何故侵入された!監視はどうなっているんだ!」
ピュテアスからの言葉を聞くも、納得の出来ないドレークは更に声を上げた。
一方、レイフはドレークとは対照的に、冷静に口を開ける。
「……解せんな。奴らがここの監視の目を欺いて侵入したとは考えられない……。ましてやスパッターなど……。本当に侵入されたのか……?」
レイフはピュテアスに確かめるように尋ねたが、その言葉を傍で聞いていたヒンは少し疑問を浮かべた。
「それだけ驚いているって事は……余程ここの警備には自信があるんだな。仮にも強大な敵の親玉の一味だぞ……。どんな根拠があってそんな自信が湧いてくるんだ?」
「ヴィランが纏っているものだ」
「纏っている、もの……?」
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