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アンが聞き返すと、ピュテアスは軽く頷いた後、説明し始める。
「ヴィランの正体は話したから既に知っているな?彼は常に闇の様な靄を纏っている。言ってしまえば、あれこそがヴィランとしての本体だと思って良いだろう。靄の成分は既にクラウディオスが解析してくれている。それを元に今まで監視を行なっていたのだが……」
ピュテアスは言葉の途中で、少し考え込む。
ヴィランの他にも、ナイト……更に彼ほどではないがイグニスとアクアも微かに闇の靄は身に付いている。
スパッターに至っては身体そのものが靄と全く同じ成分だ。
よって、闇の靄のデータを監視の解析として使用すれば、ヴィランとその一味に侵入される前に、分かるはず。
だが今回はいとも簡単に監視をかいくぐられた。
何故だ……何故、監視が全く反応しなかった……?
レイフの言う通り、考えられない話だ。
…………?
…………そう言えばメアの姿がいつの間にか見えなくなった……どこに行った……?
………………まさか……っ!
「フハハハハハッ!」
「っ!?」
突然、部屋内で強力な旋風の様な風が起こり、思わずその場にいた者全員目を瞑る。
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