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ヴィランは静かに自分に問い掛けるピュテアスの言葉に、笑みをこぼす。
「ええ。今頃、現在の選ばれし勇者、東キョウと仲良く楽しんでいる事でしょう」
★
「ナイト……」
フォートレス・エクスプロレーションの屋上部……そこでレオナルドは険しい表情を浮かべる。
目の前でキョウは膝をついており、更に首元に剣先を当てられている。
その剣の先には、ヴィランの仲間の1人、ナイト。
レオナルドはナイトの姿を思わず熟視する。
剣の持ち方……そして戦い方…………おそらく間違いはないだろう。
「…………やはり君だったのか……」
キョウは既に知っているのだろうか……。
いや……幼少ぐらいの頃以降、会ってはいないはず……おそらく断片的な記憶しか残っていないだろう。
だがどの道、彼にとっては悲惨な事実となるだろう……。
「……っ!」
ナイトはレオナルドの方を一瞥した。
それが一瞬の隙となり、キョウは見逃さなかった。
自分の剣を振ってナイトの剣を払い、間合いを取るキョウ。
ナイトは強い。
ヴィランやジムを除いたら、この世界で会った者の中でおそらく1番の実力者だ。
下手に向かったら逆に返り討ちにあってただでは済まなくなる。
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