37人が本棚に入れています
本棚に追加
S.E.A.のメンバーとは言え、自分は大変無力だ……。
「……ぐっ……何で……っ!」
「キョウ、撤退しよう。今はナイトの方が優勢にある。このまま続けても君が一方的に不利になるだけだ」
レオナルドは告げるが、キョウは苦笑いを浮かべる。
「撤退、ですか……。それは出来ません……」
「何故だ……?負ける事を恐れているのか?撤退は負けではない。自分と相手の状況を再確認して、次の機会に備える為に退却する事は立派な作戦だ」
「違いますよ……。負けなんて思ってもいないし、恐れてもないですよ。昔いた兄弟に負けっぱなしだったんで慣れちゃいました」
キョウはそう答えながらレオナルドの方を一瞬見る。
そして更に言葉を続ける。
「先程俺に言いましたよね?自分に正直な道を選択しなさいって。だから俺は今そうします。どんな状況でも……彼だけには背中を向けたくないんです……!」
キョウはナイトの方を見ながら改めて剣を構え出す。
「光と闇……正反対だけど彼も俺と同じ勇者……それのせいか何だか他人には見えないんです。剣を交える度に思う……彼の事をもっと知りたいって……!」
最初のコメントを投稿しよう!