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第144幕 "幸運"と"悪魔"
「ファイヤー!」
エクスプローラーズ・ホールでアンはヴィランに向けて炎の弾を複数放つ。
だがヴィランは自身に纏っている闇の靄をマントの様にひるがえして、向かってくる炎の弾らを消滅させる。
その後、後方から矢が飛んできた。
「フッ……」
ヴィランは難なく矢を見ずに右手で掴む。
すると右腕を中心に電流が走った。
「ほう……細工をしてあったのか……。電気が流れるとはおもしろい。普通の人間ならば、泡を吹いて気絶をしていたであろう」
「気絶で済むのならまだ良い方かもな。一応かなりの自信作だったんだが……あんたの闇の力には効果なしか……」
ヴィランの余裕そうな様子にヒンは少し苦笑いを浮かべた後、ふとヴィランの頭上に目をやる。
「俺の攻撃は駄目でも、キョウの世界にいた人の攻撃はどうかな?」
「フフフ……」
ヴィランが不敵に笑みを浮かべたその直後だった。
突如ヴィランの頭上に振り下ろされる大きな剣……レイフの攻撃だった。
だがレイフの剣はヴィランの手に受け止められる。
しかしレイフの攻撃はこれで終わりではなかった。
わずか一瞬の出来事だが、剣を手で受け止めた事により、脇腹に隙が出来るヴィラン。
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