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レイフはそこに向けて勢い良く足蹴りをお見舞いした。
「……っ!」
ヴィランは思わず後ずさり、レイフと距離を取るために間合いを取る。
レイフはその場で剣をヴィランに向けて構えた。
「我が名はレイフ・エリクソン。赤毛のエイリークの息子にして異名、幸運なるレイフと呼ばれているのは私の事だ」
「フフフ……これは御見逸れした。最初の剣の一撃を、初めから左腕で受け止めるだろうと読んでいて左の脇腹に蹴りを入れるとは……見てから判断するには遅すぎるからな……。たかだか2分の1の確率だが、躊躇なく賭けに乗り出すとは、その異名は伊達ではないようだな」
ヴィランはレイフに向けて賞賛の意を込めるが、すぐに背後に注意を向けた。
「そして背後から実に強い殺気を感じる……。それでは身を隠してもすぐにばれてしまいますよ?」
ヴィランは自分の背後で殺気を剥き出しにしてサーベルを構えているドレークに言葉を投げる。
するとドレークは笑みを浮かべた。
「心配するな、隠れる気など毛頭ない……!覚悟ぉっ!」
「……!」
ヴィランが振り返った頃には既にドレークはすぐ目の前にいた。
ドレークは雄叫びを上げながらヴィランにサーベルを振り回す。
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