第144幕 "幸運"と"悪魔"

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「ほう……では断ったら?」 「そうなったら新しい選択肢を2つお前に与える。サーベルの餌食になるか、それとも銃の餌食になるか……」 ドレークは脅す様にヴィランに告げるが、それでもヴィランの表情は変わらなかった。 それどころか脅しに屈する事とは正反対の内容をドレークに向けてヴィランは述べる。 「脅しを掛けるのは一向に構わない。しかし少し現実味を持たせるものでないと、恐怖を植え付ける事は難しい」 「……何が言いたい?」 その後、ヴィランは微かに口端に笑みを見せた。 「断言しよう。あなた方S.E.A.はこの身体に攻撃を仕掛ける事は出来ない」 「……っ!……ぐっ……!」 ドレークが一瞬だけ気を緩んでしまったその時だった。 ヴィランの闇を纏った拳によって、ドレークは腹部を中心に激痛が走り、その場で膝をついた。 「僅かに隙が生じた。これではドラコという異名も興ざめですなぁ~」 「ドレーク!」 ピュテアスとレイフがほぼ同時に、ヴィランの足元で腹を抑えて膝を付いているドレークに向かって叫ぶ。 形勢逆転……ヴィランの方が優勢となった。
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