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第145幕 ヴィランの優勢
ドレークが膝をついてからも戦闘は続く。
しかし数分が経過しても、ヴィランの方が優勢という事に変わりはなかった。
ヒンは弓矢、レイフは剣で立ち向かうも、歯が立たずに自分らの体力だけが削られていっている。
それを頷く様に、2人の呼吸のリズムは時間が経つにつれて徐々に激しくなっていた。
「フフフフフ……」
対してヴィランは余裕そうに笑みを浮かべる。
「まだ私に挑みますか?私は構いませんが、あなた方の体力が失うだけで何も変わらない」
「ぐっ……!」
レイフは悔しむ表情を浮かべながら自分の剣を握り締める。
「調子に乗るなよ、ヴィラン……。貴様は必ず……」
「調子に乗る以前に、事実ではないですか。それを覆したいのなら、この私に強烈な一撃を与えてみてください。あなたは出来ますか?」
ヴィランは両腕を広げて攻撃するように促し、レイフは彼の望み通りと言わんばかりに駈け出して、彼の頭上に剣を振り下ろそうとする。
しかしその攻撃はヴィランの片手によって、簡単に受け止められてしまう。
「駆け込む速さ、振り下ろす力……全てが先程に比べて劣っていますなぁ。そしてマイ・ヒンだったな?同じ手は通用しないぞ?」
「…………」
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