第2幕 見知らぬ世界

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「とりあえず、ここがどういう場所か把握しないとな。死後の世界というのは分かったけど、生きてた頃の知識は役に立たなそうだし」 そう言うとキョウは再び周りを見渡した。 どうやらここは階段通路のようだ。 自分が倒れていた所はちょっとした部屋みたいな感じになっていて、左右に階段が見える。 更に左右どちらにも光が差し込んでいた。 「…………」 キョウはとりあえず、そこから出ようとする。 その後、外の景色を見て、彼は驚愕する事となった。 「っ!?何だ……ここ……!?」 一言で表すと、そこは大きな海だった。 目の前に広がる大海に圧倒され、キョウは後ずさる。 そして他にも驚くべきことがあった。 その海の一部を半分囲んだような陸の上にある建造物は、まるでイタリアの地中海や港町を思わせる外観だったのだ。 キョウは自分の目を疑う。 「ここは死後の世界じゃないのか?……それとも死後の世界ってこんなにイタリアチックだったのか……?」 参ったな……俺イタリア語なんて喋れないぞ……? すると、キョウは目の前で2人の男性が通るのを見掛ける。 「やっぱりマンマの作るパンは最高だな!俺いくつでも食べれるぞ!」 「はいはい。分かったから食べ過ぎて仕事中に腹壊すなよ?」 2人の笑いながら話す会話をキョウは聞いていた。
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