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そしてもう1つは今自分が歩いている場所、ここはパラッツォ・カナルという名前だそうだ。
ここパラッツォ・カナルは水の都と呼ぶに相応しく、常にゴンドラが行き交っている。
「はぁ……」
キョウは運河の上に掛けられている橋の上で下を見ながら思わずため息を吐く。
「腹減った……」
そう言えば……昼以来何も食べていない。
あれからかなり時間経ったよな……。
「どうするか……ここの通貨って何なんだ?円な訳ないよな…………やっぱリラか?」
日本のお金だったら手元にあるから、もしここが日本のどこかだったら何か食べ物買ってる頃なんだけど、そういう訳にもいかない。
そもそも、ここが地球のどこに位置しているのか自体分かっていない。
建物の外観からしてヨーロッパ、特にイタリア辺りだとは思うんだが、言葉が分かる時点でこの説は一瞬にして消えた。
ヨーロッパでもなければ、黄泉の世界でもない……一体ここはどこなんだ?
ぐぅ~……
「…………」
考えてる途中で、再びキョウの腹は鳴る。
仕方ない……この街の人が心優しい事を願うしかない。
丁度目の前にレストランがある。
看板には『RISTORANTE DI CANALETTO』と書かれてあった。
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