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普段は料理もするけれど、自分のためだけだと思うと、どうしてこう面倒くさくなるんだろう。
さして美味しくもない食事を終えて、数少ない洋間もとい自分の部屋に移動する。
手持ちぶさたで、ベッド脇に投げ出したままの少女漫画を手に取ったけれど。
ろくに集中できなくて、結局またすぐ放り出して。
寝転がったベッドから窓の外を眺めて、目に映った空に思った。
──恋がしたい。
一世一代の恋が。
父親みたいな?
……それはないか。
母が亡くなって以来放浪癖のついた父親を思い苦笑する。
今頃どうせ、旅行好きだった母の痕跡を追って全国巡っているとか、そんなところだろう。
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