☆アンラッキーデイの拾い物

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呆れたようにみせても、そこまで誰かを想えることがどこか羨ましくて。 あたしも恋ができれば、この灰色な日々に終止符が打てるんじゃないかと思った。 そう。 ただ、それだけで。 決して非現実や非日常を呼びたかったわけではない。 非日常なんて父親の存在で十分間に合っている。 なのに。 何とはなしに振り返ったあたしは、思わず悲鳴をあげて。 投げつけた枕は、“彼”を通過した。 「俺だって来たくて来たんじゃねーのに、随分な歓迎の仕方だな? おい」 ──幽霊? ほんと、ありえない。 あたしの部屋の、扉の前に。 半透明の男の子が、不機嫌そうに佇んでいた。
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