熊ちゃんのとある一日

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 熊ちゃんは目が覚める(‘ω’)。  身体は起こさずに、携帯電話を手に取った(‘ω’)。  画面を立ち上げ、モバゲーにログインする(‘ω’)。  熊ちゃんは、VIPEERキタコレ(゚∀゚)と言う所属サークルに行った(‘ω’)。  そして、ふと頭に“幽体離脱”の文字が過(よ)ぎり、そのワードでトピック検索をした(‘ω’)。  一番レス数の多いトピックを開き、古い順から読む(‘ω’)。  そこには、幽体離脱のやり方が載っていた(‘ω’)。  そのやり方とは、後述のものだった(‘ω’)。  布団に入って、仰向けになって横たわり、全身の力を抜きます。  次にこれから幽体離脱をすると言う強い意志を固めて、自分と瓜二つの、もう一つの体をイメージで作り上げ、そこに乗り移るように意図します。  そして意識を眠りに近づけていきつつ、眠りに落ちないように意識を保ちます。  うまくいけば、やがて金縛りや肉体感覚の麻痺が起き、大きな耳鳴りがするでしょう。  やがてその音は小さくなり、次の瞬間には肉体からもう一つの自分の身体が剥離して、肉体から離れることができます。  離れた後は出来るだけ素早く肉体から遠ざかります。そうしないとあっと言う間に引き戻されてしまいます。  あとは向こうの世界でやりたいことをすればいいでしょう。 戻りたくなったら“戻りたい”と思えば元の肉体に引っ張り戻されます(トピックより抜粋)。  これを確認して、熊ちゃんはトピック内のレスを読み進めた (‘ω’)。  しかし、それらしい書き込みが見当たらなく、いつしか眠気を拗(こじ)らせていた(‘ω’)。  熊ちゃんは、一旦眠ろうと思い携帯電話を手放し、まぶたを閉じた(‘ω’)。  その時だった(‘ω’)。  キーンと言う小さい音が、耳に入ってきた(‘ω’)。  その音は次第に大きくなっていき、熊ちゃんは確信した(‘ω’)。 “幽体離脱だ”と(‘ω’)。  耳鳴りは止み、その直後に身体の大きな揺れが生じた(‘ω’)。  自分の身体が建築物であるかのように、ぐわんぐわんと、地震を思わせる大きな振動を起こしていた(‘ω’)。  熊ちゃんは未知の恐怖から逃れるように、まぶたを開けた (‘ω’)。  一時の放心の後、熊ちゃんは再びトピックのレスを読み始めた (‘ω’)。  だが、またしても眠くなり、先ほどと同じ行動をとる(‘ω’)。  そして、耳鳴りが訪れた (‘ω’)。
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