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リーにふっ飛ばされた少年たちが街をうろついていた。前回の失敗から、遊々隊の幹部の顔を写真で覚えた。
先にあるビルの角を女が小走りで通りすぎた。
「あっ、あれは」
「なんだ、どうした」
別の少年が聞いた時、3人の男が女を追うように走っていった。ひとりの少年が走り出し、他の少年たちもついていく。ビルの角を出た所で、少年は立ち止まった。女とそれを追う男たちの後ろ姿。追い付いた少年が聞く。
「どうしたんだ」
「あれ、あの女、リーの女のアネって奴じゃないか」
「本当か、どうする」
少年はニヤリと笑うと言った。
「ほっとこうぜ」
他の少年もにやつきながら答えた。
「そうだな」
いけいけ隊のたむろしている雑居ビルに少年たちが入る。ここは幹部も出入りしているので、用事がある時以外は立ち寄らない。部屋に入ると痛い視線を感じた。幹部のひとり、痩せた男が鋭い目付きで睨んでいた。少年は恐る恐る近づいた。
「お疲れ様です、ジュウザさん」
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