小競り合い

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遊々隊のアジトでリーは椅子に座っていた。のけ反って伸びをしたとき、幹部のマルが声をかけた。他には誰もいない。 「リーさんはアネさんのどこに惚れたんすか」 「可愛くて、セクシーで、強いところ」 リーは恥ずかしげもなく即答した。マルは迷うことなく答えたリーに少し驚いた。なぜだかこっちが恥ずかしくなる。 「か、可愛いとセクシーは分かりますけど、強いってのは芯が強いって事ですか?」 「いや、強いんだ」 マルは首をかしげ、また言った。 「だから心って事ですか?」 リーはニッと笑うとマルに顔をちかづけた。 「俺があいつと出逢った時の話、聞かせてやるよ」 「は、はぁ」 リーは椅子に深く身体を預け、天井を見つめた。懐かしむような表情になると、話始めた。 「俺がぼちぼちと道を歩いていた。そしたら女が男に追いかけられてるのが目にはいった。公園に逃げた女はついに追い詰められた。男はナイフ持っててな。助けてやるかって思ったんだが、そんな必要なかったわ。女が少しずつ姿勢を低くしていった。あっ、と思ったら男のナイフが手首ごと飛んでった」
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