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「て、手首ごと…」
「あぁ、そして男の身体が崩れ落ちた。俺は立ち上がっていた女を警戒しつつ、近づいていった。男を見るとアゴの下にナイフが刺さってた」
マルは目を大きく見開き言った。
「そ、それって」
「まだ続きがあんだよ。女は俺に、倒れてる男の仲間なのかって聞いてきた。関係ねぇよって返したら、そう、って言って倒れてる男のナイフを引き抜いた。そして俺に微笑んだんだ」
「それが、アネさん」
「そう、あいつとの出逢い」
リーは満面の笑顔で続けて言った。
「なっ、セクシーで強いだろ」
「つ、強いっていうか、なんていうか、恐ろしいですよ。アネさんって、こ、怖くなりました」
「お前、アネを怒らすなよ」
マルは小刻みに首を縦に振る。それを見てリーが大声で笑った。
アネを追っていた3人は、ひっくり返ったまま動かない。片付けが終わったとばかりに手をパンと鳴らす。アネは口元にセクシーな笑みを浮かべ、男たちから離れていった。
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