問題じぃ

2/8
前へ
/252ページ
次へ
「何の用じゃねぇよ。何なんだ、あのバイクは。水陸両用とかぬかしやがって、役に立たないじゃねぇか」 「何!、沈んだんか」 「そうじゃねぇよ。何なんだあのスピードは、全っぜん進まないじゃねぇか」 「何じゃ、そんな事か」 「そんな事かじゃねぇっつんだよ」 「水と陸、両方走れるだけ凄いってもんじゃろが」 「凄かねぇっ」 そのやり取りを黙って見ていたアネとマルは、顔を見合せて笑った。 「ふんっ」 鼻息で返す老人を、荒い息づかいでリーが睨む。老人はおもむろにニヤリと笑う。リーが反応する。 「な、なんだ気持ち悪い」 「ふふん、ならばこいつはどうじゃ」 そう言うと、今手入れをしていたバイクに目を向けた。 「なんだ」
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加