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「何の用じゃねぇよ。何なんだ、あのバイクは。水陸両用とかぬかしやがって、役に立たないじゃねぇか」
「何!、沈んだんか」
「そうじゃねぇよ。何なんだあのスピードは、全っぜん進まないじゃねぇか」
「何じゃ、そんな事か」
「そんな事かじゃねぇっつんだよ」
「水と陸、両方走れるだけ凄いってもんじゃろが」
「凄かねぇっ」
そのやり取りを黙って見ていたアネとマルは、顔を見合せて笑った。
「ふんっ」
鼻息で返す老人を、荒い息づかいでリーが睨む。老人はおもむろにニヤリと笑う。リーが反応する。
「な、なんだ気持ち悪い」
「ふふん、ならばこいつはどうじゃ」
そう言うと、今手入れをしていたバイクに目を向けた。
「なんだ」
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