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「このスイッチを押してみい」
リーは言われるがまま、ハンドルの真ん中にある大きなスイッチを押してみた。とたんに後部のストップランプから強烈な光が放たれた。
「おっ、何だこれは」
「追われてる時の目眩ましに使うんじゃ」
「なんか、いけそうだな」
リーはそう言うと改めてバイクを見た。
「なんだ、原チャリじゃねえか」
「そうじゃ、大型じゃと目眩ましせんでも逃げきれるじゃろが」
「だったら最初から大型に乗りゃいいじゃねえか」
呆れるリーに老人が言う。
「そういえば、さっきオヤジさんが寄ってったぞ」
その言葉にリーの顔が曇る。マルがアネに聞いた。
「リーさんのオヤジさんって、この近くに住んでんですか」
アネはまったりとした口調で答えた。
「そうよ、リーの実家はこの近くなの」
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