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「そいつは俺んとこで頑張ってくれてるマルだ」
オヤジは目を大きく開き、頷きながら言った。
「おお、マルか」
マルは嬉しくなった。自分の事をリーはオヤジさんに話してくれていたんだ。そう思い元気よく言った。
「はいっ、俺がマルです」
オヤジは今度は考える仕草を作り言った。
「初めて聞く名前だな」
「えっ、ええっ」
マルの目が点になる。アネがフォローする。
「リーは自分の事、お父様にあまり話さないから」
「そ、そうなんですか」
マルのテンションが一気にさがった。オヤジは困ったような表情を作るとマルに向かって言った。
「そうなんだよ。いけいけ隊のガキンチョからキーホルダー売りつけられそうになったとか、水陸両用バイクがちっとも進まないとか、ぜんっぜん話してくれないんだよ」
「てめえ、なんでそんな事知ってやがんだ」
リーの問いかけに、オヤジはニッと笑うと言う。
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