小競り合い

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そこでニヤリと笑う。 「10個まとめて買ってくれや」 その部屋にたむろしている他の少年たちもニヤニヤしている。 睨んでいた少年も笑い顔を作った。 「そりゃいいな。って事だからな」 皮ジャンの男はため息をついた。 「はぁー、で、どれを買わせる気なんだ」 少年は机の上に同じキーホルダーを並べた。少し声を低くし、顔を斜めに傾け、どすをきかせたつもりで言った。 「これ全部だ」 その時革ジャンの背後から声が響いた。 「お前ら、ちゃんとやってるかぁ」 その場にいた少年たちは、全員が姿勢を正す。少年たちを束ねている、いけいけ隊の若い二人が部屋の中に入って来た。束ねている、といっても組織では下っぱだ。 「お疲れ様です」 若い男のひとりは少年たちの声に片手を上げて応えると、皮ジャンの男に近づいて来た。 「誰だこいつは」 「自分が交差点でつかまえたっす。上納の話してました」 「そうか」
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