16人が本棚に入れています
本棚に追加
そこでニヤリと笑う。
「10個まとめて買ってくれや」
その部屋にたむろしている他の少年たちもニヤニヤしている。
睨んでいた少年も笑い顔を作った。
「そりゃいいな。って事だからな」
皮ジャンの男はため息をついた。
「はぁー、で、どれを買わせる気なんだ」
少年は机の上に同じキーホルダーを並べた。少し声を低くし、顔を斜めに傾け、どすをきかせたつもりで言った。
「これ全部だ」
その時革ジャンの背後から声が響いた。
「お前ら、ちゃんとやってるかぁ」
その場にいた少年たちは、全員が姿勢を正す。少年たちを束ねている、いけいけ隊の若い二人が部屋の中に入って来た。束ねている、といっても組織では下っぱだ。
「お疲れ様です」
若い男のひとりは少年たちの声に片手を上げて応えると、皮ジャンの男に近づいて来た。
「誰だこいつは」
「自分が交差点でつかまえたっす。上納の話してました」
「そうか」
最初のコメントを投稿しよう!