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そう言って顔を見ようと皮ジャン男の横に回る。確認したとたんに小さな悲鳴のような声が出た。
「ひっ!」
言った男の目は大きく見開かれ、身体が小刻みに震え出した。皮ジャン男は若い男に顔を向けると、ニヤリと笑う。少年は怪訝な表情を浮かべ言った。
「どうしたっすか」
若い男は少年の襟首を掴む。
「バ、バカヤロォ」
入り口付近にいたもうひとりの若い男も驚いた表情だ。別の少年が聞く。
「あいつ知ってるんですか」
「お前、知らないのか」
「はぁ、この街、来たばかりでして」
「ここには組織がふたつあんのは知ってるな」
「はい、いけいけ隊と…えーっと、遊々隊」
「あいつは遊々隊の…」
「えっ、遊々隊のメンバーですか」
「遊々隊のメンバーじゃなくて、遊々隊の頭、リーダーだよ!」
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