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リーダーはゆっくりとした足取りでビルを出た。そこにスピードを出した大型のバイクが走り込んでくる。少しぽっちゃりとした女性が運転している。黒の皮のショートパンツから、はち切れそうな太ももがのぞいている。
女性は乗ってきたバイクを横滑りさせながら、リーダーの前に急停車させた。リーダーはにっこり微笑むと片手を上げて言った。
「ようアネ、迎えに来てくれたのか」
アネと呼ばれた女性は心配そうな顔で返す。
「だってリーが、いけいけ隊にひとりで乗り込んでいったって聞いたから」
「大袈裟だな、遊んできただけだ」
リーはビルの前に止めてあったバイクにまたがる。
「バイク取りに行く途中だったんだけどな、俺に上納しろって言いやがったからちょいとお仕置きをな」
その言葉にアネは怪しく微笑んだ。
二台はエンジン音を残し走り去った。
ビルの中は静かだった。リーの拳の制裁により、いけいけ隊のメンバーは皆ひっくり返っていた。
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