32人が本棚に入れています
本棚に追加
いつも通り、朝のホームルームが始まった。
「みなさんおはようございまーす。
今日から副担の田中先生が産休に入ったので、
こちらの神崎先生がその間みなさんの副担になってくれます。
では神崎先生、軽く自己紹介をお願いします。」
「はい。」
今まで担任で隠れていた神崎が教壇に立つと、教室中の女子から悲鳴のような歓声が起こる。
ぼーっと窓の外を眺めていた怜はあまりの歓声…もとい騒音に軽く顔をしかめた。
前を見ると、黒いスーツを着た男が教壇に立っていた。
薄茶色の髪、温和そうで爽やかな顔立ち、女子の好きそうな顔だな。と怜はぼんやり思った。
「神崎 優。
齢は24です。担当科目は数学。みなさんよろしくお願いします。」
そう言ってニコッと微笑めば、また女子から凄まじい歓声が上がる。
あまりの騒音に、怜は切実に帰りたいと思った。
最初のコメントを投稿しよう!